四国経済産業局長賞
ゆず果汁を発酵させる新技術とその応用(特許第7283826号)
【高知県発明協会】
杉本 芳範 |
土佐鶴酒造株式会社 取締役(研究開発担当) |
粂野 敦志 |
土佐鶴酒造株式会社 技術研究室 室長 |
実 施 功 績 賞
廣松 慶久 |
土佐鶴酒造株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、ゆず果汁から発酵阻害成分である精油をいったん分離し、残った果汁を発酵させた後、分離した精油成分を果汁に均一に戻し入れることで、ゆず特有の香りを損なわず、発酵ならではの特性を付加した果汁を得るためものである。
果汁内に広く分散して存在する精油は、微量でも発酵を阻害するため、本発明では清澄化酵素で処理したゆず果汁にマイクロ波による減圧蒸留を行い、果汁の品質を劣化させない低温で精油を分離した。残った果汁を清酒酵母で発酵させ、ファインバブル技術を応用した高速剪断乳化により発酵した果汁に精油を戻し入れることで、均一に分散し、かつ長期に亘り安定して混和した状態を維持することができた。
本発明により、ゆずの爽快な香りはそのままに、苦みや渋みを抑えた、円やかな味わいの発酵ゆず果汁を得ることができた。果汁の配合率を高めても、苦みを軽減するために甘味を強化する必要がなく、ゆずの風味が強く、甘さを抑えた新しい食中酒の製造が可能になった。
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