文部科学大臣賞
循環型農業を目指した貝殻粉末の造粒技術(特許第6781426号)
【北海道発明協会】
髙桑 康文 |
株式会社常呂町産業振興公社 代表取締役社長 |
大野 智也 |
国立大学法人北海道国立大学機構 北見工業大学 機械電気系 教授 |
実 施 功 績 賞
長谷山 彰 |
国立大学法人北海道国立大学機構 理事長 |
本発明は、水産加工業で大量に廃棄されているホタテ貝殻を農業分野における土壌改良剤として効果的に再資源化するため、貝殻粉末を散布に適した粒径・形状に制御し、散布や保管に対応可能な粒子強度を付与する造粒技術に関するものである。
本発明では、流動性が強く造粒には不向きな貝殻粉末の付着性を分級操作により改善し、また、造粒体に適切な粒子強度を付与するため、バインダー添加量を最適化することで、散布に適した粒状土壌改良剤をホタテ貝殻から作成することが可能になった。さらに、バインダー成分として地域で排出される製糖副産液(廃糖蜜)を利用することで、水産加工業のみならず製糖業における廃棄物の再資源化も図った。
本発明により、散布機を使用してホタテ貝殻由来の土壌改良剤を撒くことができるようになり、農業従事者の作業効率が大きく改善した。また、水産加工業の廃棄物を農業用資材として循環させるプロセスの確立を通じ、地産地消による循環型一次産業の形成に寄与している。
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