北海道発明協会会長賞
軟化食品の製造法(特許第5643917号)
【北海道発明協会】
平原 弘志 |
マルハニチロ株式会社 (出向:公益財団法人産業雇用安定センター) |
熊谷 知子 |
マルハニチロ株式会社 食材流通ユニット メディケア・コントラクト営業部 商品開発課 課長代理 |
庵原 啓司 |
マルハニチロ株式会社 中央研究所 所長 |
本発明は、高齢者や要介護者に適した硬さを有する畜肉介護食(咀嚼困難者向け製品)であり、刻み食のような誤嚥リスクがなく、素材本来の形状を維持した加工品で食の楽しみを提供できるようにするためのものである。
従来、高齢者向けに加工された畜肉の多くはムース食であり、高齢者が十分に噛み切れる硬さである一方、肉の形を保っておらず、食感も失われ、食事の楽しさを享受できない課題があった。本発明では、タンパク質分解酵素で畜肉を処理する際に、分解酵素による分解作用とは相反する効果を持つ架橋酵素を同時に組み合わせて作用させ、畜肉を分解しつつ再架橋することにより、素材をやわらかくするとともに、肉の形を保ち、保水性を向上できることを見出した。
本発明により、通常の食事と変わらない見た目の畜肉介護食を提供できるようになり、高齢者や要介護者のQOL向上に寄与している。また、病院や介護施設における介護食の調理を効率化でき、調理現場の作業負担軽減に貢献している。
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