平成26年度全国発明表彰 受賞技術概要(敬称略)
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朝日新聞発明賞
高性能なリチウムイオン二次電池用炭素材料の発明(特許第3325021号)
石井 義人 | 日立化成株式会社 基盤材料事業部 無機材料開発部 開発部長 | |
西田 達也 | 日立化成株式会社 基盤材料事業部 無機材料開発部 開発担当部長 | |
藤田 淳 | 日立化成株式会社 機能材料事業本部 主管研究員 | |
山田 和夫 | 元 日立化成株式会社 |
発明実施功績賞
田中 一行 | 日立化成株式会社 代表執行役 執行役社長 |
本発明は、リチウムイオン二次電池(LIB)の負極に使用される炭素材料に関し、複数の微粒子を集合させた球塊状の黒鉛粒子とすることで、LIBの高容量化を実現し、急速充放電及びサイクル特性を向上することができる。
本発明の負極材料における黒鉛粒子を構成する個々の微粒子は高結晶性の黒鉛であり、多くのリチウムイオンを吸蔵することができるため高容量化を実現すると同時に、黒鉛粒子の特徴的な構造(球塊状)により様々な方向からリチウムイオンを吸蔵・放出することができるため、急速充放電及びサイクル特性が向上する。また、粒子内部の細孔が、充放電による負極の膨張収縮を緩和するため、サイクル特性が向上する。さらに、この細孔中に電解液が染み込むことで、粒子内部からもリチウムイオンが移動可能となり、急速充放電特性が向上する。
本発明を適応したLIBは、優れた諸特性を実現することが評価され、多くの電池メーカーに採用され、世界トップシェアを占め、今日のリチウムイオン二次電池の普及に大きく貢献している。