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日本経済団体連合会会長発明賞
相転移原盤作製法を用いた光ディスクの製法の発明(特許第3879726号)
河内山 彰 |
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ソニー株式会社 コアデバイス開発本部 ストレージ・メモリ事業開発部門固体メモリ開発部 課長 |
荒谷 勝久 |
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ソニー株式会社 コアデバイス開発本部 ストレージ・メモリ事業開発部門固体メモリ開発部 課長 |
発明実施功績賞
ハワード・ストリンガー |
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ソニー株式会社 会長 兼 社長 CEO |
本発明は、大容量再生専用光ディスクの原盤の作成方法に関するものである。
2002年当時、 ハイビジョン映像ソフト媒体としてブルーレイディスクの開発が進められていたが、高精度の微細加工技術を要する『原盤の量産製造技術』の見通しはなかった。
微細加工の一般手法であるフォトリソグラフィでの加工精度は、およそ、光源波長と対物レンズで決まるとされるが、本発明者らは、ある温度で化学的性質が 急激に変わるきめの細かい材料があれば、ブルーレイレコーダーで使用されている青紫色半導体レーザを光源に用いても、なお、充分高精度の原盤が作成可能と 考え、新規に遷移金属不完全酸化物材料を開発し、その結果として、低コスト/短工程時間/高品質の原盤作成法を実現した。
現在、本技術により、世界の殆どのブルーレイROMディスクが製造されており、新規格である3次元ハイビジョン映像用ディスクへの展開、さらには、光ディスク以外で高精度の微細加工技術を要するデバイス開発・製造にも大きな期待が寄せられている。 |
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図1 遷移金属不完全酸化物を用いた微細加工原理
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図2 原盤作成工程、および、他の微細加工技術との比較