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全日本学生児童発明くふう展

第76回全日本学生児童発明くふう展
審査を終えて

イノベーション潜在力を感じさせる作品たち

 第76回全日本学生児童発明くふう展には、各都道府県で開催されました展覧会において、優秀な成績を収めた作品を中心に769点の推薦がありました。それらの中から書類審査を通過した作品について審査幹事会で第1次実物審査を実施し、後日開催された審査委員会において、特に優れた40点を慎重に審査いたしました。
 今回、恩賜記念賞を受賞された作品は、北海道伊達市立伊達小学校6年生・松岡陽さんの「車輪形状変形システム」です。この作品は、段差を乗り越えるのが大変という車椅子の弱点克服に向けて工夫した車輪をもつ四輪車で、コントローラの操作で、二つの前輪の外形を円にして平地を走行したり、星形にして段差を乗り越えたりすることができます。設計にCADを用い、フライス盤で金属加工し、機構を組み合わせた見事なマシンです。
 内閣総理大臣賞を受賞された作品は、東京都町田市立鶴川第四小学校6年生・近藤菫さんが発明した「Clean & easy」です。ロール状ビニール袋の口を簡単で清潔に開けられる仕組みの作品で、実用新案登録もされています。また、文部科学大臣賞の「さあ どこに行く?スロットマシン」(小学校1年生)、経済産業大臣賞の「イス自動収納装置」(小学校4年生)、特許庁長官賞の「パッと着られる!ランドセルレインポンチョ」(小学校5年生)も、それぞれの賞に相応しい作品です。また、WIPO賞の「リハビリ用運動入力装置 MoMoコン&くるコン」(工業高等学校3年生)をはじめ、発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞にも、たいへん素晴らしい作品が選ばれました。奨励賞20点もみなそれぞれに優れた作品です。
 今回は、子供・介護・福祉を意識した作品、科学の面白さに触発された作品、便利なアイデア、制御マイコンを駆使した作品など、独創性に富んだ発明くふうが多くありました。審査委員会では、作品一つ一つの説明を受け、さらに作品に触れ動作させて、児童・生徒の発想や熱意に感心しながら、慎重に審査・選定をいたしました。毎年出品している児童も多く、前年の展示会での見学者からの声や反応を今年の作品に反映させるというとても有効なプロセスを実施した児童がいることを知り、驚くとともに、児童生徒が将来イノベーションを起こす潜在力を秘めていることへの期待が大いに膨らみました。
審査委員長
審査委員長 古屋 一仁

東京工業大学名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する