本発明は、茶の焙煎技術において、既存の焙煎装置では茶葉温度の制御が困難なため、熟練した経験を必要としていたことから、傾斜回転円筒構造に遠赤外線と熱風の特性を併用することで、自動的に安定した品質の茶葉の仕上げを可能とする新しい焙煎装置及び方法を開発したものです。
　本装置の開発は、従来機では実現できなかった茶葉温度を数値的に管理することで、求めるべき焙煎品質に仕上げることが可能になり、茶生産農家の６次産業化に貢献するものです。

　２０年も前から遠赤外線照射による焙煎装置をコンベアー方式で製作しておりましたが、焙煎作業は引き継げたものの、茶業従事者が積み重ねてきた焙煎ノウハウ＝勘やコツや習慣から培われた技を数値化して、親から子への技術伝承を助ける装置にしたいとの思いが未達成で、常に不満を感じていました。
　今回ようやくタッチパネルを前に親子が商品品質について話し合える段階までの装置になりました。

　栄えある賞に選出いただき有り難うございます。
　この受賞を機に、古くからの歴史を重ねている業界であるにも関わらず、日本茶の仕上げ技術＝焙煎作業がすべての農家には伝承されておらず、茶生産農家の直接販売が難しい中、私どもの開発した焙煎機を活用することで、目的の焙煎品質を実現し茶生産農家の収益向上に貢献できることを願っております。