本発明は、西日本高速道路株式会社様との共同特許で、橋梁やトンネル等に用いるコンクリート構造物に対する剥落防止及び表面保護工において、施工後もコンクリート表面が透明性を維持する技術です。
　従来の技術では、剥落防止や表面保護工は最終の仕上げにおいてコンクリート躯体ないし表面を被覆していたため、施工後の目視点検がほぼ不可能で点検コストの問題や、不具合が出た場合の発見が遅れてしまい事故に繋がるというケースが多く見受けられることから、その解決のため本工法の開発に取り組みました。

　透明度を維持しつつ強度と剥落防止機能を有することが一番に挙げられます。樹脂自体は元々透明でしたが、強さを補う繊維の選択に時間を費やしました。最終的に４軸ガラス繊維糸の配列方法の交点軸をずらす事等で解決しました。
　また、本発明を実際に施工する場合、構造物を管理する鉄道会社や高速道路会社の各種試験を合格する必要もあったため、塗布量やガラス連続繊維シートの貼り付け方の調整を行い基準値に達するまで大変苦労致しました。

　この度は、栄えある賞に選出いただき、誠にありがとうございます。本発明はコンクリート構造物を長期的に維持し、安全と安心を提供することが出来る発明であると認識しており、今後も本発明での受賞を励みとして、「列島リフォーム」をスローガンに日本中のインフラ構造物を保護してまいります。
　受賞に当たり、御協力をいただきました皆様へ深く御礼申し上げます。