日本弁理士会会長賞
タンポポ由来のメラノーマ細胞分化誘導物質(特許第4810642号)
[秋田県発明協会]
畠 恵司 |
秋田県総合食品研究センター 醸造試験場 主席研究員 |
堀 一之 |
医療創生大学 薬学部 教授 |
高橋 砂織 |
秋田県総合食品研究センター 企画管理室 技術支援班 専門員 |
向山 俊之 |
株式会社坂本バイオ 研究開発部長 |
辻村 範行 |
日本クレア株式会社 技術部 嘱託社員 |
実 施 功 績 賞
後藤 考宏 |
株式会社坂本バイオ 代表取締役 |
本発明は、ルペオールという植物トリテルペン化合物が、皮膚癌の一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)の運動性を抑制することで、周辺組織への転移を防ぐ薬剤としての利用を可能とするものである。
皮膚のメラニン細胞の癌化により生じるメラノーマは、転移能が高く、進行が速い腫瘍であるため、早期発見を除き、完全治癒が困難とされる。そこで、メラノーマ細胞増殖抑制活性(=メラノーマ分化誘導活性)をスクリーニングし、タンポポ類に顕著な活性を見出し、単離・構造解析の結果、ルペオールが活性本体であることを突き止めた。さらに、ルペオールは、メラノーマの増殖抑制のみならず、運動性を阻害することで、周辺組織への転移する能力を減衰させることがわかった。
本発明の応用として、メラノーマの罹患率が高い犬を対象に全国の獣医師と共同で、ルペオールの治療効果を検証しており、早期メラノーマに対しては、再発・転移抑制が期待できる結果を得ている。
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