本発明は、自走走行部にアタッチメント作業部を装着した草刈り機に関するものです。オール電動式で各動作部分にモータ類を設置し、自走走行部と分離可能な作業機部の２つのユニットで機体を構成することが特徴です。
　この構成で機体の作業走行を安定させるためには、コンパクト化による重心位置の最適化及び低重心化が求められました。その過程で作業機部の連結昇降機構が複雑になり、機体のバランスが崩れてしまう問題が発生し、その解決に取り組みました。

　草刈作業時に回転する刈刃部が、地面の凹凸や障害物に当たらないようにするには、上方へ逃げるための追従機構が必要となります。この追従機構に上方への付勢力を与えると、地面への追従性能がさらに増すことがわかりました。
　この追従機構を作業部の昇降機構の限られたスペース内に集約させるため、昇降機構の強度を保った小型化部品の設計、昇降機構と追従機構とをリンクさせる機構の設計、付勢力の有効配置及び弾性力の設計を行いましたが、成功するまでに大きな苦労を伴いました。

　草刈作業は夏場の野外作業が主体で、炎天下で長時間作業することもあるため、本発明が労力軽減の一助になるものと期待しています。近年、各分野において人手不足の問題も深刻化しています。本発明は安全・簡単で楽な作業ができると、使用された皆様に好評を得ております。
　受賞に当たり、御協力をいただきました皆様へ深く御礼申し上げます。