【令和元年度四国地方発明表彰】
中小企業庁長官賞
発明のポイントをお教えください
実験・試験を実施する前に、まずその結果の予想(仮説)を立てることです。次に、予想と異なる結果が出た時、「何でやろ?」と疑問を持つことです。疑問の中から仮説を修正し、手法を変えて再度挑戦することで得られた結果の再現性を確認します。その仮説と結果が合致した時、その仮説やその発想が既成概念から外れたものである場合、その仮説・発想には発明としての新規性があると思っております。
苦労した点はどこでしょうか
市販の加工鋼板(梨地仕上げ・ヘアーライン仕上げ・バフ研磨)でも凹凸を有しますが、その凹凸は幾何学的な再現性
を目的として製作されたものではありません。凹凸を平面に仕上げる研磨技術はありますが、μmレベルの凹凸を再現できる研磨手法は、高価なレーザー加工を除いて存在しませんでした。そこで、研磨砥粒紙を使った手作業に挑戦し、研磨砥粒自身が研磨中に変化してしまうという難題を熟練の技によって克服することができました。
受賞のご感想をお願いします
微小な凹凸が微粒子の付着力を低減できる理論はすでに論文発表等で紹介されておりましたが、これを実用的に証明したのはF研磨処理と思っております。まだまだ、粉体付着抑制に平滑面の方が有利という固定観念の根強い技術者に今回の受賞によってF研磨処理の効果を浸透させられる機会を得たという感謝の気持ちでいっぱいです。
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