本発明は某タブレット端末用デバイスへの、マーキング用のインクに関するものです。
　顧客要求は印字インクの耐久性、視認性だけでなく、使用する原材料にまで及び、大変厳しいものでした。
　しかし、デバイス製造過程の加熱工程を利用し、インクを熱硬化させるという発想に至って検討を重ねた結果、最難関項目であった耐久性をクリアすることが出来ました。今日現在においても、前記タブレット端末へのマーキングに継続してご採用頂けています。

　一番苦しかったのは、とにかく時間の無い中での開発だったことです。
　元々別種のインクで採用頂いていましたが、突然原材料に関する仕様変更がなされ、一刻も早く新基準に適合するインクを再開発する必要がありました。
　必死に検討し、短期間でインク組成に目途を付けたものの、そこから様々な評価が必要で、かつ当時は東日本大震災直後という状況下で、一部原材料の入手も困難な状況でした。その苦難を今回の受賞メンバーで協力し合い、乗り越えることが出来ました。

　この度、このような名誉ある賞を受賞させて頂き、誠に有難うございました。
　チームで取り組んだ結果をご評価頂けたことが、大変喜ばしく思います。
　インクの開発では、環境関連法規制が年々厳しくなる一方、インクに対しては更なる高機能が求められる流れが、これからも必ず続きます。
　今後もこの賞に満足することなく、お客様にご満足頂け、更には産業の発展に貢献できるインクの開発に、チャレンジしていく所存です。