【平成30年度中部地方発明表彰】
発明協会会長賞
発明のポイントをお教えください
工作機械の主軸芯と加工工具の刃先の芯合わせは、従来構造では主軸台下に配置した間座を現物合わせの研磨により行いますが、省スペースCNC旋盤の芯高さ調整機構は、ボルトの調整だけで行います。これにより、作業工数の大幅削減と作業の容易化を実現しました。例えば、主軸台の交換作業で主軸芯高さの調整が必要な場合、従来構造の場合と比較して80%以上の工数削減が可能になります。機械のダウンタイムが生産数に直結するため、早急な復旧が求められる生産現場において容易に短時間で調整可能な本機構は非常に効果的です。
苦労した点はどこでしょうか
生産性、メンテナンス性を小さい機械の中で如何に簡素な構造で向上させるか、かつコストアップを最小限に抑えて実現したかという点です。機械前面側からのアクセスのみでの組立、メンテナンスを目指した本機構は生産ラインを構成するコンパクトマシンに必要不可欠な機構で、客先でのメンテナンス現場の改善要望を汲み取りながら実現しました。また、本機構の構造は簡素ですが高い加工精度が必要なため、加工現場とディスカッションしながら問題解決を行いました。
受賞のご感想をお願いします
この度は栄えある賞に選出して頂きまして誠にありがとうございます。弊社関係者と共に喜びを噛みしめています。本機構を採用したUSLシリーズはお客様にご愛好頂いて出荷台数600台以上となり弊社の柱となる製品群に成長致しました。製品コンセプトの柱でもある「省スペース、省エネルギー」が市場にマッチした結果だと思います。国内、海外のお客様やサービスエンジニアの皆様に喜んで頂ける製品作りを念頭にこれからも邁進して行きたいと考えております。
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