【平成27年度中国地方発明表彰】
文部科学大臣発明奨励賞
発明のポイントをお教えください
半導体デバイスの製造工程で現像液として使用される水酸化第4級アンモニウム水溶液は、半導体製品の品質維持のため、高純度、高濃度のものを安定供給されることが求められています。本発明は、その製法として電気分解法を採用する中で、特定の重合体をマトリックス樹脂とすることにより、副生する酸化性ガスに対して高い耐性を有する陰イオン交換膜の開発に成功し、これを使用することで課題を満足する製造技術を確立したものです。
苦労した点はどこでしょうか
電気分解装置は、高濃度の有機塩の電気分解によりダメージを受け、生産当初は長期の連続運転が困難でした。私たちは、この原因を調査し、酸化性ガスによる陰イオン交換膜の劣化が元凶であることを突き止め、このガスを除去するための手段を種々検討しましたがうまくいきませんでした。そこで、視点を変えて、酸化性ガスにより劣化しない陰イオン交換膜の開発に取り組み、苦労の末、本発明で提案する陰イオン交換膜にたどり着きました。
受賞のご感想をお願いします
この度は大変栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。今回の受賞は、当時の開発メンバーをはじめ、製造、営業、技術がたゆまぬ努力を行い、世界に誇れる製品に育て上げた結果だと思います。特に、当時の製造スタッフが私たちの無理難題に応じてくれたお陰でこの技術が完成したとも言えます。現在では、研究開発から外れたものもいますが、今後も、様々な立場から社会に貢献できる製品を世に出せるよう尽力して参ります。
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