文部科学大臣発明奨励賞
含硫化合物と微量金属元素を含む輸液製剤(特許第4171216号)
【徳島県発明協会】
藤本 貴司 |
株式会社大塚製薬工場 技術センター センター長 |
武田 光市 |
株式会社大塚製薬工場 技術センター製剤技術部 製剤研究第2グループ リーダー |
加賀 順二 |
株式会社大塚製薬工場 品質統括部 副部長 |
庄司 英克 |
元 株式会社大塚製薬工場 生産本部 嘱託 |
実 施 功 績 賞
小笠原 信一 |
株式会社大塚製薬工場 代表取締役社長 |
本発明は、複数の室を有する輸液製剤において、その一室に含硫アミノ酸および亜硫酸塩を含有する溶液が充填され、他の室に鉄、マンガンおよび銅からなる微量金属元素収容容器が収納されていることを特徴とする輸液製剤である。
複数の室を有する輸液容器において、含硫アミノ酸と微量金属元素の化学反応による品質劣化の防止のため、微量金属元素溶液を小袋に入れた後、含硫アミノ酸容液室に入れることを検討したが、小袋により隔離してあるにも拘わらず溶液の劣化を防ぐことはできなかった。そこで、含硫アミノ酸を含む室とは別室に微量金属元素を含む小袋を収容したところ、微量金属元素が安定に保持されることを見出し本発明を完成した。
従来、輸液中には微量金属元素が含まれていないことより、長期投与では微量金属元素欠乏症がみられたが、含硫アミノ酸との化学反応により品質が劣化するため、細菌汚染の危険性があっても投与直前に輸液中に混合せざるを得なかった。本発明により、微量金属元素を安定に保持し、投与時無菌的に混合可能な高カロリー輸液製剤を提供することが可能となった。
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