日本弁理士会会長奨励賞

地震対策用木製収納戸棚の自動ロック機構（特許第4351119号）

【徳島県発明協会】

北島　精一

株式会社北島製作所　代表取締役社長

　本発明は、地震の揺れでも引戸が開かずに棚の収納物が飛び出すのを防ぐ、木製収納戸棚の自動ロック機構である。
　自動ロック機構は、引戸が閉まっている時には、戸棚の上部両サイドに設置されたロック機構により引戸が開かない様にロックし、引戸を開けるときは、写真１に示すように引戸の左右にある引手部ロック解除レバーに手を添えるだけで簡単にロックが解除され、引戸を開けることができる。
　また、本ロック機構は、写真２において試作戸棚の引戸の自重までを支える強度を有していることを実験で確認しており、小さな地震の揺れであれば、引戸が開いて戸棚の中に収納しているものが外へ飛び出る事はない。
　当社は、公共の建物、老健施設、各種学校、ホテルなどの宿泊施設で使用している家具を中心に販売している。本発明の引き手ロック装置を人が集まる施設内の収納棚に使用することで、地震等の衝撃や振動で勝手に引戸が開いて、収納棚の内部の物がずり落ちたり、飛び出す危険性を回避できると共に退路を落下物で塞ぐこともなく、地震発生時の安全性を高めることができる。

写真1：自動ロック引戸

写真2：戸棚を立てても扉は開かない