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【平成26年度中国地方発明表彰】

文部科学大臣発明奨励賞
氏名: 川崎 由康
会社名: JFEスチール株式会社
部署・役職: スチール研究所 薄板研究部 主任研究員
発明の名称: 複雑成形が可能な高強度高性能めっき鋼板
  特許第4894863号【受賞発明の内容】
川崎 由康様
発明のポイントをお教えください
本発明は、鋼に添加する元素と製法の最適化により、鋼を構成する組織の硬さ、量、サイズ等を精緻にコントロールし、中でも主組織フェライトの革新的な制御により、相反する強度とプレス成形性を同時に向上させた自動車用めっき鋼板に関するものです。本発明鋼の適用により、プレス割れが発生することなく複雑な部品形状の成形が可能となるため、部品の形状自由度が飛躍的に広がり、地球と人にやさしい自動車車体の実現が可能となります。
苦労した点はどこでしょうか
二律背反の関係にある鋼板の強度とプレス成形性を同時に向上させることが極めて困難でした。しかし、めっきの点から添加不可の元素を、めっきの技術革新により、逆転の発想で積極活用し、未開拓領域に挑戦することで画期的な組織制御を実現しました。これにより、プレス成形時には軟らかく加工性に優れ、成形後にはフェライト内に今までにない微細な転位構造を形成し、強度の大幅向上を可能とし、二律背反を克服できました。本発明鋼は、約5年の歳月をかけ、失敗を何度も繰り返し、それを乗り越えて完成した商品ですので、当社の「会心の作」です。
受賞のご感想をお願いします
このたびは大変栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。今回の受賞は、当時の開発メンバーをはじめ、製・販・技が一体となった商品化への気概が評価されたものと信じております。また、本発明鋼の創製にあたり、研究開発の「いろは」からご指導くださった当社の先輩方に深く感謝しております。今後も、社会に貢献できる画期的な商品を世に出せるよう、より一層研究開発に邁進してまいります。

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