文部科学大臣発明奨励賞
ナノ相分離構造を持つ樹脂を用いた複合材料(特許第5382258号)
【愛媛県発明協会】
坂田 宏明 |
東レ株式会社 複合材料研究所 研究員 |
富岡 伸之 |
東レ株式会社 化成品研究所 主任研究員 |
本田 史郎 |
東レ株式会社 化成品研究所 ケミカル研究室長 |
実 施 功 績 賞
日覺 昭廣 |
東レ株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、耐熱性に優れるエポキシ樹脂中に、靭性に優れるブロック共重合体が、強化繊維の隙間よりも小さいナノサイズの相分離構造を形成することにより、繊維強化複合材料(FRP)の耐熱性と耐衝撃性の両立を可能とする技術である。
本発明の樹脂組成物は、下記(a)〜(c)から構成され、エポキシ樹脂として微細な相分離構造を形成させる(a)と組成物の取り扱い性を確保する(b)を併用し、ブロック共重合体として高靱性ブロックBを含む(c)を用いる。
(a)Tgまたは融点が50℃以上のビスフェノール型エポキシ樹脂
(b)25℃で液状の低分子量エポキシ樹脂
(c)S−B−MおよびM−B−Mから選ばれるブロック共重合体
これにより、エポキシ樹脂硬化物の中でブロック共重合体がナノサイズの相分離構造を形成する(図1)。これを用いたCFRPは耐衝撃性向上に有効に寄与する(図2)。なお、本技術は当社技術ブランド“ナノアロイ(登録商標)”に属する。
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