特許庁長官奨励賞
脳脊髄液と血液の動態を観察するMRI装置(特許第4738540号)
【栃木県発明協会】
金澤 仁 |
東芝メディカルシステムズ株式会社 MRI事業部 主幹 |
実 施 功 績 賞
瀧口 登志夫 |
東芝メディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長 |
田中 久雄 |
株式会社東芝 代表執行役社長 |
本発明は、MRI(磁気共鳴イメージング)装置を用いた、血液や脳脊髄液などの人体の体液の動態を、数分〜十数分程度の時間で造影剤の注入や人体を傷つけることなく観測する方法である。
通常のMRI撮像の数十ミリ秒〜数秒前に、関心のある体液がある空間を局所的に磁気共鳴現象を起こして標識化して(目印を付けて)撮像する。標識化する位置や撮像までの時間を変化させながら複数回繰り返して撮像し、得られた画像を連続的に表示する。標識化された状態をより長い期間持続させることのできる反転励起パルスを使用したり、標識化する領域の幅、位置、時間など変化させて複数の画像を収集したりすることで、動態を観測できる時間幅や空間的な範囲を広げた。
造影剤を使用しないことや検査が短時間で済むことで患者に対する負担が少なく、繰り返し検査が可能。脳脊髄液の循環に関係する疾病の診断への応用、また、副作用の問題で造影剤による検査が困難な腎臓血管検査の代替法としても応用が期待されている。
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