ストレス低減効果が期待されるヒノキ等に由来する芳香成分の分子形状が比較的大きな球状であり、シックハウス症候群等の原因とされる揮発性有機化合物（VOC）や悪臭物質がこれに比べて小さく扁平や直鎖状であることに着目して、形状の違いからVOCや悪臭物質だけを吸着除去する活性炭の製造法を見出しました。
この活性炭は、原料としたヒノキ等の細胞構造を反映し、内部まで空気が通り易く、効率的にVOCや悪臭物質を吸着除去できます。

選択吸着性活性炭を見出しその製造条件を確立するにあたり、静岡県工業技術研究所との共同研究で、実験炉による数十条件の炭化と得られた活性炭の特性解析を繰り返し、数年の月日を要しました。
更に、当社のロータリーキルン型炭化炉、すなわち量産機での製造条件の最適化検討においては、実験中にキルン炭化炉が停止するなどのアクシデントもあり、煤（すす）を被りながら苦労した末に、本発明が完成しました。

中小企業庁長官奨励賞、実施功績賞の受賞を大変光栄に思っております。
静岡県工業技術研究所との共同研究を通じて培った技術の成果が特許取得につながりました。今回の受賞は、発明技術を活かした商品開発（モノ）、販路開拓（コト）を通じての活動が評価されたと感じています。
今後も市場やユーザーに役立つ技術・商品開発を、いっそう努力し推進してまいります。