【平成23年度中国地方発明表彰】
中小企業庁長官奨励賞
発明の概要について教えてください
舶用プロペラではプロペラキャップの後端からハブ渦が流れ去りますが、このハブ渦が強くなるとハブ渦キャビテーション(気泡)となり、エネルギーロスや舵の損傷につながります。従来、ハブ渦を消滅させるためにプロペラのハブやキャップにフィンを取り付けた特別な装置が実用されていましたが、今回、プロペラ翼形状に工夫をこらすことにより、プロペラ翼形状の改善のみでこのハブ渦を軽減、消滅させることができました。
苦労した点はどこでしょうか
高速艇用プロペラでは翼の根元部分に発生するルートキャビテーションにより損傷することが多いのですが、本発明は、そのルートキャビテーション防止プロペラを研究中に偶然生まれました。ルートキャビテーションは残るのですがハブ渦キャビテーションが完全に消えてしまったのです。その後、一般商船用プロペラに実用するに当たり、ハブ渦キャビテーションが消えてもプロペラ翼形状変更に伴うマイナス分があり、トータルとしてプロペラ効率がプラスとなるように試行錯誤を繰り返しました。
受賞のご感想をお願いします
このような栄えある賞を頂き、誠にありがとうございます。当初、本当に製品になるかと疑問を持っていたものがここまで実用化できましたのは、実船へ採用を快く了解頂いた船社、造船所の皆様、模型実験を実施して頂いた研究所の方々、良い製品を常に供給したいと努力を惜しまない弊社の関係者によるものです。この場を借りて厚く感謝申し上げます。
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